シェアハウスのニーズと可能性(1)
2018/5/3
まちやど管理人 せい子です。
日本や海外で住み込みやハウスシェアなど、
様々なくらし方、働き方を経験して、
生まれ故郷の青森から、東京、イギリス、沖縄を経て
2010年より岐阜県郡上市に住んでおります。
2014年に郡上八幡でゲストハウスを開業。
まちやどを通して、都会と地方、家族の枠を超えて、
それぞれが生きたい場所、暮らしたい場所で
自分らしく生きられる社会を目指して日々活動しています。
まちやど管理人 木村せい子のプロフィールは こちら。
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前回のブログで
私が家を購入するまでの経緯について書きました。
購入した家はタテマチノイエと名付け、
これからシェアハウスを運営していきます。
これまでもブログやセミナーなどで
ハウスシェアの重要性
についてお話しして来ましたが、
私がシェアハウスにこだわる理由とその可能性
についてお話ししたいと思います。
2018年4月24日。
タテマチノイエの不動産登記が無事完了しました。
土地と家を手に入れたものの
シェアハウスとして運営するには
まだまだまだまだ準備することはたくさんあって
正式に運営ができるのは来春ぐらいになりそうです。
でも。。。
月々に支払う家賃がないというだけで
こんなにも心の余裕が生まれるものか!!
と、しみじみ感じております。
私は今、まちやどの一部を住居として暮らしてて
宿とパートの収入でなんとか生活していける状態。
前身のシェアハウスまちやど(かつての自分の家)と
ゲストハウスまちやど(事業の場所)と
2軒分の家賃を払いながら事業の準備をしている頃とは
比べ物にならないほどに、ストレスフリーな状態で
じっくりと運営に向けての準備を進めることができています。
前回のブログで説明した、
その場にいるためにかかるお金について
イギリス貧乏留学の件を例にしました。
ロンドンは、家賃がバカ高いけれど、賃金もそれなりに高いです。
郡上はというと。。。
家賃もそこそこ高く、所得は日本最低レベル。
しかも、車所有が必須!!(これ、めちゃくちゃ大きい)
収入と支出のバランスで言えば
都会ベースで収入を得て郡上で暮らすなら別ですが
郡上ベースで収入を得て家賃を払って生活するのであれば
実は、ロンドンとたいして変わらないんです。
私がゲストハウスまちやどの運営を始めた当初は、
借入返済と、さらに2軒分の家賃を払っていたので
ロンドンと同じように、
ただ郡上で呼吸してるだけで同じペースでお金がなくなる感覚、再び。
軌道にのるまで
精神的に辛かった!
いや、ホントに。
そんなにすぐには成果は出ないよ。
焦らずのんびり行こう!
って励ましてくれる友達の言葉も素直に受け取れなくて
さらに、その友達が実家暮らしだったりすると
アンタねえ、タダで暮らせる家があるから
そんな流暢なこと言ってられるんんじゃい!!
こちとら、同じ空気吸うのに1分1秒ごとに金がかかっとんじゃい!!
って、心の中で叫んでました。
(さすがに口には出さなかったけどね)
今思うと、ほんと、余裕なかったなあ。。。
そして、余裕がないっていうことで
いろんなチャンスを見過ごしたり、
人に誤解されたりしたこともしばしばありました。
私、思うんですけど、
そういう辛い経験、あえて〝郡上で〟する必要ないよね?
これから郡上で暮らしたい!と思う人たちは(Iターン)
多分、都会でそれなりに金銭的にも精神的にも大変な思いを経験した上で
郡上で暮らすということを選択肢の一つとして考えると思うし、
ここ郡上で生まれ育って都会に出た若者が
地元に戻ってこようか考えるとき(Uターン)
(実家暮らし以外の選択肢が)都会とたいして変わらない家賃を払って
生活費を切り詰めなくてはならないとしたら・・・
どちらも、郡上八幡でくらしをスタートするのは
いきなりハードルが高いものになると思う。
もちろん、生活費云々を差し引いてでも
ここで暮らす魅力はたくさんあると思います。
でも、まずここで暮らすための初期投資
(家電製品、車、そして都会と対して変わらない家賃)
負担が大きすぎる!
どこにいたって暮らして行くことはラクなことばっかりじゃないけど、
だったらせめて、最初は楽しくてラクな方がいいじゃん!!
ゲストハウスや、シェアハウスは
身一つで生活が始められる設備が整ってるから
その一歩のハードルを ググググッ!
と低くしてくれる存在なんです。
ちょっと話は逸れますが
素敵な晴れ姿でしょ?
実は、花嫁さんは昨年から始めた まちやど年間会員制度の
記念すべき会員第1号の女の子なんです。
愛知に住む彼女は、郡上の男子との遠距離恋愛をきっかけに
会員になってくれました。
そして、ほぼ毎週のように八幡に通い
時間を重ね、愛を育んで
昨年の秋から、郡上で暮らし始めています。
きっと交際中は、
大好きな彼に会えるのが嬉しい反面
お仕事で疲れてるのに、郡上まで長距離運転大変だっただろうし
高速代やガソリン代もバカにならなかっただろうなぁ。
お金や気持ちに余裕がなくなると
しなくてもいいケンカをしちゃったことも
時にはあったんじゃないかしら。。。
アンタねえ、タダで暮らせる家があるから
そんな流暢なこと言ってられるんんじゃい!!
こちとら、わざわざ郡上までやって来て、同じ空気吸うのに
金がかかっとんじゃい!!
なんて思うこともあったんじゃないかなあ。。。
って思うんです。
(あくまでも、私の勝手な想像です。
彼女の口からそんなこと一度も聞いてませんが。。。)
例えばケンカした後に
また疲れた体で運転して日帰りで愛知に帰って
モヤモヤした気持ちで1週間過ごすのと
一晩まちやどで心も体もリフレッシュして
翌朝彼と一緒にモーニングしながら過ごすのとでは
1週間の心のあり方が全然違ったんじゃないかな?
って思うんです。
彼らは時々、食材を買って来て、
まちやどのキッチンで2人仲良くご飯を作ったりもしてました。
(彼の実家ではなかなかハードル高くてできないよね。。。)
ただ郡上に遊びに来るだけじゃなく、
彼女がこの土地で暮らして行くことの疑似体験の場所として
シェアハウスのようなまちやどの存在は
きっと大きかったはず。
シェアハウスの存在は、郡上の嫁不足解消にも一役買う!!!
(?)かもしれません。
まずは、この人と一緒にいたい !
って思わせる魅力的な男子・女子ありきですけど。
私自身の暮らしが少し安定して来て
やっとこの先の10年が
郡上で描ける気がしてきた今、
そして、ありがたいことに父が投資してくれて
家を買うことができたからこそ
こういう可能性のために
タテマチノイエを活用してもいいのかな
って思うんです。
これはあくまでも一つの事例ですけどね。
例えば、こんな小さな積み重ねが5年、10年と続いたら、
タテマチノイエの周りに
新たな人の営みが増えていくんじゃないかなあ
って思うんです。
正直なところ、
タテマチノイエは改修にかなりのお金がかかります。
購入費と改修費を、ビジネスとして考えたら
シェアハウスの家賃収入だけでは
一生かかっても回収できるかできないか。。。
でも。。。
私の人生、これまで紆余曲折ありつつも、
青森のパパ❤︎が投資してくれた物件ですからね。
ありがたく受け取って、
今度は私からこれからの若者たちの未来に
投資して見るってのもいいんじゃないの?
なんて思っております。
その投資は、もしかして
巡り巡って10年後ぐらいに
なんらかの形で返って来るかもしれないし
返ってこないかもしれない。
それでも、まあいいか。
別に、
1分、1秒ごとにお金がかかるわけじゃないしね。。。