せいこのスペイン放浪記(?)
2016/2/16
まちやど管理人せいこin Spainです。
今回の旅は超個人的に思うことがあっての旅。
(まあ、そもそも旅のきっかけなんてものは個人的なものなんでしょうけど。。。)
私が見たこと、感じたことは自分自身で消化して、今後出会う人たちとシェアしていければいいなと思っているので、こうしてまちやどブログで旅の旅行記をつらつらと書くつもりはあまりないのですが。。。
今回はちょっと面白い出来事があり、自分自身の記録としても書き留めておきたいなと思ったのでブログにすることにしました。
長文になりそうなので、ご興味ある方はお付き合いいただければと思います。
特にスペイン巡礼の旅(カミノ・デ・サンティアゴ)って響きにグッと来る方は興味深いかもしれません。
私が旅にでた理由は前回のブログより。(長いです)
そして、今回のブログもだいぶ長文になりそうです。
今回の旅は全くのノープラン。
訪れる場所や宿泊先は出会いとフィーリングと天気で決める
「観光ではなく《旅》を体験してみる」というのと、
言葉が通じない国で旅をするというのがどんな感じなのか
「日本を旅する外国人旅行者の気持ちを感じてみる!」
というのが目的です。
ということで、2月1日のマドリッド到着から3日ほどマドリッドでスペインの情報を集め、ざっくりどんな感じで旅行するかを決めました。
いろいろ調べた中で、旅立つ直前にある人に教えてもらった「スペイン巡礼の旅」というのがすごく気になったので、旅のルートを電車やバスで巡りつつ、巡礼最終地 世界三大聖地であるSantiago De Compostela を一先ずの目的地にすることにしました。
スペイン巡礼の旅(カミノ・デ・サンティアゴ):キリスト教の聖地であるスペイン、ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路。おもにフランス各地からピレネー山脈を経由しスペイン北部を通る道を指す。(Wikipediaより)
日本でいうと四国のお遍路のようなものですかね。
詳しくは↓↓
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
http://www.camino-de-santiago.jp
巡礼というぐらいだから、本来は何日もかけて徒歩で移動するものなのですが、最近は自転車で移動したり、一部電車やバスを使ったりとそこまで厳密ではないようで、ヘタレな私でも、5kmぐらいは歩いてみてもいいかなーなんて思ったりはしていたのですが、どこから巡礼ルートにアクセスできるのかよくわからず、まあ、ルート沿いに宿をとって、何か情報が得られたら。。。ぐらいの気持ちでいました。
ということで、
2月4日、マドリッドから巡礼ルートのZaragoza(サラゴサ)へ移動し、ユースホステルで1泊。
この巡礼ルート沿いでは、アルベルゲ(Albergue)という、巡礼者を対象とした宿(かなり格安で泊まれます)があって、自治体、教会又は修道会が運営している公営(Pubrico)のものと現地友の会や個人が運営する私営(Privado)があるらしく、普通にbooking.comとかの予約サイトで検索する宿泊施設でも(アルベルゲ)と表記された宿を予約できます。私が予約した宿も「アルベルゲ」って表記してありました。
天気予報によると数日雨予報だったので、晴れてる間に歩を進めようと、翌日2月5日、Zaragoza から電車でLeonへ。
事前に宿を予約する時間がなかったので、Leonに着いてからインフォメーションで宿を紹介してもらったのだけれど、紹介された宿に向かったら開いておらず、重い荷物を背負ったままさまようのも大変だったので、もらったホテルマップに書いてある近くのホテルに向かうことにしました。
2つ星のホテルとユースホステル的な宿が2つ並んでてどうしようか迷ったけど、このところ相部屋続きであまり寝れてないし、少々旅の疲れがでてきたので個室でのんびりしようかなーなんて、2つ星ホテルの前をウロウロしてたら、通りがかりのおじさんに、「きみが探してるのはこっちだろ!」って安宿の方に案内されちゃいました。
ま、どう見てもいかにも安宿に泊まりそうな小汚いバッパー的な身なりだから、しょうがないよね。
せっかく案内してもらったので、今日の宿はここでいいか。。。と
入り口に入ってびっくり。
修道服に身を包んだおばさんが受け付けにいました。
あれ?これ、宿じゃないのかな?と思いながら、
「今日1日泊まれますか?」ときいたら「もちろん!」と笑顔で答えてくれる。
ここまではガイドブックに書いてあった旅行用スペイン語でなんとか通じたんだけど、問題はここから。ここからの会話は全部 私:英語 おばちゃん:スペイン語で、多分()内は通じてない。
おばちゃん:「巡礼者手形もってる?」
私:「あ、もってません。今日この町に着いたばかりで、(これから巡礼するかも決めてません)」
おばちゃん:「オッケーじゃ、作ってあげる。」
私:「あ、いや、でも。。。(歩いて巡礼するかどうかはまだわからないし、歩くとしてもせいぜい5kmぐらいで、あとは電車とかバスで移動するつもりです)」←多分通じてない。。。
おばちゃん「はいはい、じゃ、ここに名前書いてね」
と、そんなこんなで、その場で巡礼者証を発行してもらい宿代(なんと、5ユーロ!安!)と巡礼者証発行手数料2ユーロの7ユーロを支払い、チェックイン完了(?)
1泊5ユーロ?これって、徒歩で巡礼する人たちが体を休める場所であって、電車やバスでスイッスイーと観光気分で移動している私が宿泊する権利はあるのだろうか。。。?
そんなことを思いながらも案内されるままにベッドに案内してもらっちゃいました。
受付の横のキッチンには、ガチ巡礼中で宿に泊まっているらしい一行が。
そして、おばちゃんが私のことをみんなに紹介してくれる。
「はい、この子も今日から巡礼に参加するらしいわよ。みんなよろしくね」みたいな。。。
部屋はいかにも巡礼者用といった感じの簡素な2段ベッドとトイレとシャワーのみ。
ベッドには掛け布団はなく、巡礼者は寝袋を持参で旅をするのが当たり前らしい。
宿のルールは22時消灯、7時半起床、8時半チェクアウト。
8時半からは掃除のため、連泊する場合も8時半から11時の間は宿からでなければならないらしい。
本日宿を共にする巡礼グループは、韓国人3人、イタリア人3人、オーストラリア1人、スペイン人2人の合計9人。
みんなそれぞれ違う場所から歩き始めて、歩いてるうちに友達になって、同じルートをたどっているうちに自然とグループになったらしく、だいたい2週間〜20日ぐらい歩き続けているツワモノばかり。
やばい。。。。
こんなガチの巡礼チャレンジャーにまざって、電車やバスでさっくりとサンティアゴ行ってさっさと暖かい場所に南下しよー!なんて軽く考えてる私が一緒にいていいのだろうか?
そもそも、そんな私がこの宿に泊まる資格があるのだろうか?
(も一回言うけど、巡礼者のための宿なので、宿代5ユーロポッキリ)
みんな、「きみはどこから歩いてきたんだ?」「何日ぐらい歩いてる?」「明日は一緒に歩くか?」と私の巡礼に対する意気込みと武勇伝を聞いてくる。
「あ。。。あの。すんません。そんながっつり歩くつもりはなくて。もともと観光が目的で、ちょっと巡礼ルートを回ってみて、歩けそうだったらちょっと歩いてみよっかなー的なノリなんです。ちょっとだけ(5kmぐらい?)なら歩いてみたいなとはおもうけど。。。」
そんな感じで歯切れの悪い答えを返しつつも、この宿(ガチのアルベルゲ)に泊まる=歩く気マンマンが大前提のようで、そもそも歩く前提の旅ではないってことがなかなか理解してもらえないまま、この日はオーストラリア人の女の子の誕生日らしく、バースデーケーキでお祝いをしたあとみんなでバルに飲みに出かけることになり、なんだかバツが悪いまま私も一緒に連れて行ってもらうことに。
一緒にお酒を飲んでるときも、一人一人「きみは明日どのぐらい歩くのか?」ってきかれて、その度にこの宿に泊まることになった経緯を説明しつつ、歩く気合がないのにみんなと同じ空間にいることに罪悪感を感じていたのだけれど、
最終的には「ま、歩かないなら歩かなくてもいいんじゃね?」的なかんじで、みんな寛容に受け止めてくれたからよかった。
何人かに巡礼をするきっかけを聞いてみたら、「癌が見つかったから」とか、「彼女に振られたから」とか「大学生で長期の休みだから」とか、理由はいろいろ。
一緒に歩くか歩かないかにかかわらず、みんなに優しく迎え入れてもらって、楽しい夜でした。
こんな仲間といっしょだったら、1日ぐらいいっしょに歩いてもいいかな?なんてちょっと思ったりしたけど、翌日は雨予報だったし、連日の寝不足でいよいよ疲れが溜まってきてるし、何より歩くための装備がみんなと比べ物にならないくらい軽装だったので、やめることにしました。
翌朝(2月6日)旅立つみんなを見送り、私は一足先に電車で巡礼の最終目的地 Santiago de compostelaにたどり着きました。
連日の移動&寝不足で少々お疲れ気味&体調がいまいちだったので、とりあえずドミトリーを予約しておいて、状況によってはシングルルームに変更しようと思いながらチェックインしたところ、ホテルの部屋割りの都合でシングルルームをドミトリーと同じ金額で泊まれるとのこと。ラッキー!!
昨日は個室で爆睡してしまい、Santiagoの町をほとんど回れていないので、今朝フロントに連泊をお願いしたところ、ドミトリーは空いてるけど掃除がまだだし、そのままドミトリー料金で個室に泊まっていいよ。とのこと!ダブルラッキー!
そんなわけで、奇跡的に2日間もホテルの個室でのんびり過ごせる貴重な時間をいただき、旅立って1週間で起きた出来事を自分なりに振り返る時間がもててます。
ゲストハウスやってると、「色んな国旅してきたんでしょ?」ってよくいわれるけど、
実は5日以上の旅は人生初!(イギリス留学2年は旅じゃないし)
よく旅を人生に例える人がいるけど、なんとなくその感覚がわかってきた気がします。
旅に出る理由は前のブログに書いた通りだけど、
ブログに書ききれない、なんだか
「今旅に出なきゃいけない!」って、何かに突き動かされるような強い感覚がありました。
それがなんなのか、そして私が今どうして旅をしてるのか
なんとなく見えてきた気がしています。
今後、まちやどブログでこの旅の報告をするかどうかはわかりませんが、
また機会がありましたら是非ご愛読くださいませ。