「家」に対する 【移住者】と【地元の人】 の価値観の違い
2015/4/1
「家」に対する 【移住者】と【地元の人】 の価値観の違い。
最近、この違いを突きつけられる出来事が起こることが多いです。
感情のままに書くと悲観的になったり中傷的な表現になりそうなので
こういった場で書くのは控えていましたが、
一移住者として、一人の意見として伝えることも必要なのかなと思ったので、
あまり考えずに思った通りに書こうと思いました。
ご存知の方もいるかもしれませんが、
「かわいい」「清潔」「水回りも充実」と
好評いただいているゲストハウスまちやど
管理人である私自身のお家はというと。。。。
私の都合で「とにかくまちやどの近く！」を最優先事項にして
大家さんのご好意で使わせていただいているので
表現にとても困るのですが、
古風というか、時代を感じると言うか
まあ、具体的にはお風呂とか、トイレとか
現代人が、特に女子が住むには、
住環境的にはかなり厳しい建物な訳です。
本格的に来る冬を目前に、ハラハラドキドキしていたところに
これまた我が家（青森の実家）の事情で、
母が２週間ほど郡上に来ることになり
介護のこととか今後の人生とか、
本気で今後の住環境、生活環境を考え直す時期でもありました。
もちろん、「お金はいくらでも出せます」って言えるなら
古いお家を借りて、水回りを全面改修して、
家賃＋改修費数百万円を負担すれば済むことなんでしょうけど、
無いものは無いですしね。
それに、頑張って改修したところで、
将来的に自分のものになるわけでもなく
いずれ引っ越すときにトイレやお風呂は持っていけないわけなのです。
つまり、土地や家のない私たち移住者にとって、
本気でこの土地で根をはって生活しようと思うと
「家の改修にどれだけお金をかけてあと◯年暮らすか」
「改修費の返済が終わってからいくらの家賃を払い続けるか」
「今後◯十年で総額いくらの家賃を払っていくことになるか」
が家を借りる、または買うとき大きな課題になるわけです。
※郡上八幡では改修せずに負担が少ない家賃で長く借りれる家は皆無！
というのが大前提です。
ここで、長い目で安心して暮らせる家を探そうと思うと、
まあ、あれやこれやといろんな障害があるわけで、
その障害について細かいことを書くつもりはありませんが、
その障害というのは、最初に書いた
「家」に対する 【移住者】と【地元の人】 の価値観の違い
が全てなんだろうなと最近つくづく思います。
そして、価値観の違いの一番大きな要素は、
家やその土地に関わる「時間」の違いなんですよね、きっと。
私のように、郡上に家も土地も身内もない移住者は、
ここで暮らすにはまず家が必要で、
自分の居場所＝家 を確保するために
家賃をずーーーーっと払い続けなければならないんです。
「今後、どうするか」の時間軸が、
１年、２〜３年目、３〜５年目、６年〜って
少しずつ環境や生活によって変化していくわけです。
一方、地元の方や空き家の持ち主さんは、
だいたいの方はご自身のお父さんのそのまたお父さんぐらい？
何十年、もしくは百年以上もそのお家に関わっていて
「まあ、そのうちなんとかしなきゃなー」
の時間軸が、５年だったり１０年だったり。。。
１−２年と５−１０年
例えば、単純に月々６万円の家賃で考えたら
７０〜８０万円を基準に考えるか、３５０〜７００万円。
時間もお金も、基準が全然違いますよね。
そして、この金額を負担してまで
この土地に魅力なりやりがいなりを感じれるかどうか。。。
とくに、春夏と秋冬の季節の変動が激しい郡上八幡では、
来シーズンに向けて、自分自身の生活や仕事など
いろんな方向性をこの冬から準備をする必要があるわけで、
ある意味１２月から２月の３ヶ月の過ごし方が来年１年を決める！
と言っても過言ではないと思っているわけで
そうなると、２−３ヶ月か５−１０年か。。。。
そりゃ、価値観も、それに対する真剣味も全く違うわけだ
とは思います。
一移住者として声を大にして言いたいのは
私たち（単身）移住者の人生って、環境によって変化していくものです。
例えば、結婚とか出産とか
私の場合、親の介護のこととかも
そろそろ本気で考える年齢になってきちゃいました。
なので、例えば私個人が「この土地にいたい」と思っても、
どうしても去らなければならない可能性もあるということです。
土地がない、家がない私たちにとっては
先が見えない人生、日々綱渡りのようなもの。
ある意味、１日、１ヶ月、１年が命がけなんですよね。
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いや、郡上で家が無くなっても死ぬことはないですけど、
そのぐらい死活問題なんです。
そんなにいうなら、自分の地元戻ればいいじゃん？
ってツッコまれそうなので先に言いますが、
別に、だからどうしてほしいとか、家をなんとかしてくれとか
そういうことを言いたいわけではないんです。
自分が、好きで勝手に郡上に住んでるので。
ただ、最近、「移住して起業した人」として
いろんな場面で持ち上げられたり、担ぎ上げられたりする機会が多くて
「郡上を元気にするためにがんばってくれ！」って、
よく言われますが、
「移住して起業した人」の置かれている状況、
そして私たちなりの家に対する価値観を知ってほしいなと。
そういった価値観の違いを知った上で、
「移住推進」とか「空家対策」とか「地方創生」
とか言ってほしいなと思います。
今の郡上の現状は、
「若者よ、腹をくくって今の生活を捨て、たっぷり貯金を持って
地方に移住して、そしてその見知らぬ土地を元気にしてくれ！」
そう言われているような気がしてならないのです。
移住６年目の私の生活は、まだ６年。もう６年。
６年たってもまだまだ土台は固められず、
周りの環境でガラリと変わる可能性がある。
そういう事実を知っていただきたいなと思う今日この頃でした。
